桜田淳子　ドリフで志村けんとコント

桜田淳子はアイドルの頂点に駆け上りましたが、田植え機のＣＭ同様、コメディのセンスも持ち合わせていました。
中学時代は演劇部に所属し、将来は女優になりたいと答えていたくらいですので、当然なのかもしれませんが。
特に「8時だよ！全員集合」では、志村けんと見せた「夫婦コント」の掛け合いが大人気になりました。
「私ってダメな女シリーズ」です。

ここは一軒家の茶の間。
新婚風の妻桜田淳子が亭主を待つ中、ドアを開けてサラリーマン姿の志村けん帰ってきます。

志村　「ただいまー」
淳子　「あなたー。お帰りなさい。お疲れになったでしょう。」

このセリフで始まり、

「あなた、お食事になさいます？それともお風呂？」
「うーん、じゃ先に飯食おうかな」
「じゃあ、さっそくお米研ぎますね」
「おい！ちょっと待て！お米研ぐって、ご飯炊いてないのか！」
「ええ」
「まったく何やってんだよ！電気釜なんだからご飯くらい炊いとけ！」

のパターンや

「お風呂になさいます？それともご飯？」
「うーん、先に風呂に入ろうかな」
「じゃあ、さっそく沸かしますね（風呂場に向かう）」
「（驚いて）おいちょっと！ちょっと待て。なんだ沸かすって。まだ沸いてないのか。」
「ええ」
「おい、いつもこの時間に帰ってくるってことがちゃんと分かってるんだから、風呂ぐらい先に沸かしといたらいいだろう。まったく何やってんだよ！」

の会話の後、

クラリネットの悲しげなBGMが流れて淳子にピンスポットが当たり、悲しみの底に沈むような感じで悲嘆に暮れて、横座りに座り込みます。

「私って、ダメな女ね・・・。あなたの妻でいる資格なんか無いんだわ・・・」

「いや、そんなことないよ。悪かった、言い過ぎたよ。後でいいから」
「でもあなた、私のこと、嫌いになったでしょ？」
「嫌いじゃないよ、好きだよ」
「じゃ、あなた、私のこと愛してる？」
「ああ、愛してるよ」
「ほんと？」
「うん」

今度はクラリネットの明るいBGMが流れて、再び淳子にピンスポットが当たり、両手を広げて立ち上がり、天に駆け上るような感じで全身で悦びを表わします。

このほか
「ビールが冷えていない」
「おかずを買ってきていない」
「実家にお金を借りに行く」
など、同じようなやり取りの度に、例のクラリネットの「悲しいＢＧＭ」と「明るいＢＧＭ」の繰り返しです。

同じパターンのコントで毎回笑わすことができるのは「演技力」によるものありましょう。

オチの背広のポケットから出てくるマッチは、概ね「おさわりバーももえ」とかですがためらうことなく演技を続けるところも笑えます。

他にもアイドルが出演していましたが、彼女の右に出る人はいなかったように思えます。

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