箱根登山鉄道 各駅停車の旅

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箱根登山鉄道 各駅停車の旅

温泉と温泉を結んで走る電車。
それが箱根登山鉄道です。
「箱根の山は天下の剣」
箱根の険しさを昔の人はこう詠みました。

起点となる小田原駅は海抜26m。
終点の強羅駅は海抜552.8mと
なんとその高低差530mを15kmの距離で走るのです。
最大の勾配は1kmの距離で80mの高さを上るところがあり
一般的な鉄道では日本一、世界でも1、2を争う
大変な急勾配です。
1kmの距離で80mの高さを昇る斜度を
80パーミル勾配と言います。

箱根登山鉄道が開通するまでも
そして開通してからも運営には大変なご苦労が
あったとされています。
それは沿線がこのような山岳地帯にあったことが
大きな理由なのですね。

小田急線の電車は小田原駅から箱根湯本駅まで
乗り入れています。
箱根登山鉄道の線路の幅は新幹線と同じ広さです。
1435㎜あり、標準軌と言います。
ところが小田急線の線路の幅はJRの在来線と同じで
箱根登山鉄道よりも狭いのです。
こちらは1067㎜の狭軌と言います。
そこで小田原駅~箱根湯本駅の間は
実はレールが3本敷設されていて
片側のレールを共用し、もう片側の内側を小田急線が
外側を箱根登山鉄道が使用して走ります。
3線式線路はなかなか珍しいですね。

車両は新旧取り混ぜて活躍しており
箱根登山鉄道らしさ満点のモハ1形、モハ2形。
姉妹提携しているスイスのレーティッシュ鉄道に
ゆかりのある1000形、2000形。
最新デビューの3000形は
小田急線ロマンスカーと同じデザイナーさんが手がけました。

それでは箱根登山鉄道に乗って出発しましょう。
箱根湯本駅を出ると急勾配の線路を昇り
温泉街も見えなくなり、森の中に入っていきます。
北原ミュージアムの下を過ぎると
やがていくつかのトンネルをくぐり抜け
目の前には塔ノ沢駅が現れます。
まさにトンネルとトンネルの間にある
森と駅舎だけの塔ノ沢駅です。

ここから二つのトンネルを抜け
絶景が望める出川鉄橋に差し掛かります。
箱根登山鉄道の名所の一つですね。
一瞬なのでお見逃しなく。

登山電車特有の大平台スイッチバック。
箱根登山鉄道にはこのスイッチバックと
大平台駅、そしてその先に上大平台信号場と
計3つのスイッチバックがあります。
大平台駅周辺に集中しているということは
このあたりが一番勾配が急なのでありましょう。

正月の箱根駅伝を思い浮かべると
なんとなく想像できますね。
山の神たる所以です。

大平台駅の先からは国道に沿って走ります。
ところが国道からは電車の姿はなかなか見えません。
沿っているといっても山の斜面の傾斜で
一段高いところを走っているからです。
この森の中を走るところが
四季折々を楽しませてくれるのです。

やがて宮ノ下駅に到着します。
宮ノ下は有名な温泉街ですが
駅はちょっと離れています。

次は小涌谷駅になりますが
ここで初めて国道1号線との踏切に遭遇します。
国道に沿って走っていますが、
踏切はここと彫刻の森駅の横にある2か所だけです。

このあたりになるとやっと勾配も緩やかになります。
そろそろ終点が近づいてきました。
強羅駅です。

箱根登山鉄道は単なる移動手段ではなく
これに乗ること自体が旅行になりましょう。

春には花が、そして新緑、
あじさいの季節には「あじさい電車」も走ります。
夏の緑に包まれたあとは
目にも美しい紅葉の季節を迎えます。
冬には静かな雪景色を愛でることができ
まさに春夏秋冬の旅へといざなってくれます。

箱根登山鉄道の魅力をしゃべり倒すことで
DJ車掌として有名になった落合伸哉さん。
今後は車掌さんから運転手さんとして活躍されるそうです。

今年もいい季節がやってきました。
あなたはどの季節の箱根登山鉄道で旅をしますか?

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