沢田研二 コバルトの季節の中で 70年代秋の歌 オータムソング
- 2016/8/27
- 心躍るこの一曲
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沢田研二 コバルトの季節の中で 70年代秋の歌 オータムソング
「コバルト」と聞くと一瞬「夏」を思い起こしますね。
「コバルトブルー」は南方の海を連想させます。
1976年9月10日、ジュリー・沢田研二の『コバルトの季節の中で』がリリースされました。
異常気象がもたらす最近の気候では、9月の声を聴いても暑い日が続きますが、明らかに空は「秋の空」になります。
ココでの「コバルト」とは吸い込まれそうな秋空を表す色表現なのです。
もちろんこの曲を知っているわたくし達世代には、秋の歌とわかっていますが。
イントロからジュリーの曲っぽくて、かっこいいですね。
作曲はジュリー本人なのは、うかつにも当時は知りませんでした。
彼が作曲した楽曲は70以上に上るらしいです。
ある時耳に挟んだのですが、かの井上孝之が「ジュリーは、我々プロが考え付かないようなコード進行のメロディを作る」と言ったとか。
中でもこの曲が歌詞と共に印象的なのは、リリース時期にあるのではないでしょうか。
前年の75年には『時の過ぎゆくままに』というジュリー最大と言っていいヒット曲が発売され、翌年には『勝手にしやがれ』で日本レコード大賞を受賞します。
その狭間に発売された曲ではありますが、この間いろいろございました。
75年には7年間の交際を経てザ・ピーナッツの伊藤エミと結婚しますが、75年、76年と続けて暴行事件を起こしてしまいます。
まぁ、ファンに絡まれたりしての事件ではありましたが、若気の至りでした。
そんなことがあって、76年には1か月の謹慎を余儀なくされ、期間が解けたのち、『コバルトの季節の中で』を発表しました。
つまり、新婚時代の謹慎期間に作曲した曲なのですね。
作詞は、小谷夏。
聞いたことのない女性作詞家と思っておりましたら、かの名プロデューサー・久世光彦のペンネームです。
久世光彦はジュリーファンでもあり、彼自身をプロデュースして推しておりました。
想像するに、ジュリーの謹慎期間中、彼の状況・心境を見つめての作詞だったのでは。
しかるに、ジュリーの曲の中では比較的地味な落ち着いた雰囲気の爽やかなラブソングし仕上がったのでございましょう。
使われている言葉にも感ずることができます。
他のジュリーの歌のような派手さはなく、優しい気分になれる気がしますね。
ジュリーの歌唱力はさすがで、のびやかに歌い上げるところは聞きほれてしまいます。
抜けるような青空を見上げながら、この曲を聴くとちとモノ想いにふける歳になりました。
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