高級旅館の楽しみ方

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高級旅館の楽しみ方

いつもはお手頃な温泉旅館でバイキング料理を堪能していても、やはり憧れの高級旅館には泊まってみたいモノ。
でも、どう振舞ったらいいかわかりません。
しつらいや飾り花、料理にと、季節感と気遣いを味わえるのが高級旅館での醍醐味です。
相手は高級旅館。お門違いなことをしたらバカにされるのでは。

そんな心配をしながら高級旅館に泊まっても、全然楽しめませんよね。
ちょっと知っておくだけで、ゆとりを持って堂々と楽しむことができます。
格式の高い客としてのルールがあります。
では、ちょっと覗いてみましょう。
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【予約をするときに】

旅館は時間によっては非常に忙しい時間帯がございます。 朝は朝食の支度、昼前前はチェックアウトのお客様御対応。
そして夕方からはチェックインのお客様と夕食の支度。
ちょっと考えただけでも繁忙時間帯は予測が付きます。
まずは、この時間帯は外しておいたほうがよろしいでしょう。

次に、予約の時に日程や人数はもちろんですが、できるだけ宿泊の目的や要望を伝えておくと、旅館に到着してからがスムーズにいきます。
記念日などの予約であれば、客室のしつらえを気遣ってもらえるばかりでなく、料理もめでたいメニューにするなど、旅館側がもてなしやすくなるのですね。
ネット予約の場合は、備考欄を利用しましょう。 宿泊前に電話を1本入れておくと、更に有効です。
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また、食事で苦手なモノがある場合や、喫煙スペースの確認など、ご本人の都合に合わせて、これまたできるだけ詳しく伝えておきましょう。

旅館は、宿泊中お客様に快適に気分良く過ごしていただきたいと思っています。
旅館側からのヒアリングと思って、こちらから具体的に伝えることが良い結果を招きます。

【到着後はどう振舞うか】

さて、予約時にはこちらの希望を伝えたあと、無事到着します。
この旅館にお世話になる、ファーストインプレッションですね。
ここからは旅館と客の関係と言うよりも、人と人の関係、コミュニケーションを大切にすることがポイントです。
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『荷物』

旅館の前に車が到着すると、係の人達が出迎えてくれます。
荷物を運ぶのは仲居さんの仕事です。 よほどのことがない限り、貴重品だけを自分で持っていき、あとはお願いするのが基本です。
自家用車で来たのであれば、キーを渡しておけば車を所定の駐車場へ停めておいてくれます。

『心づけ』

お世話になりますと言う意味を込めて渡す心づけは、自然に格好良くしたいモノ。
部屋でお茶を出していただくタイミングで渡すのがいいでしょう。
カップルでは男性が、夫婦であれば奥様が、ポチ袋に入れてさりげなく。
相場は3,000~5,000円と言ったところでしょうか。

心づけはお世話になった後に渡すと言う方もいらっしゃいますが、事前に用意して到着時に渡すのが無難と思われます。

『靴』

玄関で靴を脱ぐときにいつものように、後ろ向きで靴を脱いで上がる方法。
旅館や料亭など、スタッフがいる場合はそうではありません。
正面を向いて靴を脱いだままで大丈夫です。係の方に任せましょう。
そう、脱ぎっぱなしが正解です。
靴番の方に「おまかせします」と添えればないいいですね。
来るまでの道中で靴が汚れてしまったら、一言言っておけば、返る時までに磨いておいてくれます。
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こういう時は遠慮するより、堂々としていたほうがスマートになります。

男性が先に靴を脱いで揚がって、その後に女性が上がる。そして女性が二人分の靴をそろえなおすと嗜みのあるひとと見えます。
この場合も靴番の方がいた時には「あら、ごめんなさい」と言えると美しいですね。

【客室でどう振舞うか】

『客室にどう入るか』

概ね、高級旅館は和室となっておりますから、客室に入る時は襖を開けて入ることになります。
基本的には旅館には寛ぐのが目的で来ていますが、日本家屋は繊細な造りになっています。
襖の開け方ひとつにも最低限の心配りをしましょう。
詳しくはこちらの

「知っていたい お座敷のマナー」

を参考に。

『どの座椅子に座るか』

客室の席にも上座と下座がございます。
この空間でレディファーストは必ずしも似合いません。
和の空間では男性が上座、女性が下座、という約束事だと思ってください。
何も男性を立てるという意味ではありません。
和では男性が、フレンチでは女性がと。
これまた、和と洋のダブルスタンダードとわきまえましょう。
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ただし。女性の誕生日などと言う記念日には、上座に座ることもおかしくありません。
こんな場合は旅館に一言伝えておきましょう。

『荷物はどこに置くか』

旅行には鞄がつきものです。近年はキャスターバッグを利用される方も多いでしょう。
客室に入って、この荷物を無造作に置いてしまうと無粋なばかりか、不作法になりかねません。
和室には最低限に決まりごとがございます。
まずは「床の間から遠いところに置く」のが基本です。
言い換えれば「景色を遮らない場所に置く」と理解すればわかりやすいでしょう。
具体的には控えの間があればその隅に、なければ荷物沖の中か、入らなければその前に置くようにします。
あっ、キャスターバッグは違いますよ。
畳の上に上げるのは禁物です。
入口の踏み込み周りに置きましょう。

【浴衣をどう着こなすか】

普段は洋装文化の中で生かついていますので、浴衣を着るのが得意な人はあまりいないでしょう。
寛ぐために旅館に来たとはいえ、食事処や湯処などのパブリックスペースを行き来することは多くあります。
実はこの時に他人から見ると、浴衣の着こなし方は非常に良く見られるのです。

そこで浴衣の着こなし方のポイントをふたつ。

ひとつは「結び目の位置」です。
男性の場合は、結び目は後ろ。腰の中心からすこっし横にずらし、帯の高さは腰骨より少し上あたりです。
女性の場合は上前の衿の線にそって、お腹の当りで結びます。帯の高さはやはり腰骨の少し上でよいでしょう。

もうひとつは「上前の裾の線」です。
上前の裾線を垂直になるように、浴衣を羽織った時に調整してから帯を締めます。

最後に、上はゆったり目に、下はきちっとすると、着崩れせずに格好良く着こなせます。

【貸切風呂はどう入る】

水入らずで入る貸切風呂は極楽ですね。
しかし、ここでも最低限の作法があります。
作法は「人も自分も気持ちよくありたい」が基本です。
身内だけだからと、緊張がゆるんでしまうと他からしっかりと見られていることに気が付きません。
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貸切風呂は大概時間制になっており、客の入れ替わりには宿の係の人がしつらえを直しに入ってきます。
この時に客の風呂の使い方が一発で見破られると言うことですね。
置けと腰掛をそろえて置くだけでも、人柄がわかるというモノ。
ちょっとした気遣いを忘れないようにしましょう。
きっと、その後の宿の対応が違いますよ。

【和室でのタブー】

『鴨居にハンガーを掛ける』

和室には風景がございます。風景とは調和。鴨居にハンガーを掛けるとこの調和が台無しになります。
せっかくのおもてなしの配慮が報われません。
そればかりか、建物を傷つける恐れもあり、絶対にやめる動作です。
脱いだ洋服はクローゼットにしまいましょう。
同じようにタオルはタオル賭けに掛けることも忘れずに。

『卓上での物の扱い方』

卓の上では、物を引きずることは厳禁です。「点」から「点」への移動をします。
特に漆塗りの卓ではなおのこと。
湯呑や、時計、指輪、時にはパソコンなど、気を付けて扱いましょう。
そもそもいろいろなモノを卓上に並べること自体、美しくありません。
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【和室遣いの楽しみ】

和室には風景があると書きました。
その雰囲気を域に彩っているのが、しつらいです。
宿の気持ちが表れていると思っていいでしょう。
掛け軸や生け花。
しつらいを楽しめと言われると、思わず近寄って見てしまいがちです。
しかし、これらは座った目線でしつらいが一番美しく見えるように作られています。
座って拝見している姿はとっても優雅ですよ。
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これらの所作は、堅苦しいと思ってはいけません。
作法の基本は「人も自分も気持ちよくありたい」です。
ご自身はもとより、他のお客様や宿の方達も気持ちよくなれば、宿での滞在が見違えるほど素敵になります。

今度の休日、大切な方と、高級旅館でちょっと贅沢をしてみませんか。

写真引用:和心豊月 http://hakone-hougetu.com/

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