江戸っ子の蕎麦の食べ方の作法

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江戸っ子の蕎麦の食べ方の作法

日本では料理の「作る技術」は大変進んできました
今度はこれを正しく「食べる技術」を身に着けて、より「美味しく食べる」ようになりましょう。

江戸っ子の蕎麦喰いとは、「粋」なだけではありません。
そこには理論に裏付けされたモノがあるのです。

【蕎麦を食べる技術】

蕎麦は香りを楽しむもの

よく言われますね。

本当の通は天ぷら蕎麦や鴨南蛮や海苔の掛かったざるは食べない
そうも言います。

江戸っ子曰く
蕎麦は食うのではなく手繰るモノ
0008.蕎麦の食べ方の作法3
具体的にはどうするかと言うと、右手の箸と左手の猪口を交互に持ち上げ、リズミカルに手繰りながら蕎麦を吸い込むように食べるのです。
江戸っ子の風情ですね。

もうひとつ、つゆのことになりますが、つゆは徳利に入ってい出てきます。
蕎麦を食べる時に猪口にドボドボと全部注いでしまいがちですね。
しかし、正しくは猪口に少しづつ注ぎ足して使うのが正解なのです。

【蕎麦とつゆの関係】

この一連の行為には確たる裏付けがあるのです。

江戸っ子の好む蕎麦はつゆが超辛口です。
つゆの量を極力少なくすることで口の中に広がる蕎麦の香りを楽しむことができるのですね。
超辛口だとつゆの量が多いと辛すぎて食べられないので、少しづつ注いで、勢い良く蕎麦を手繰るのです。

この時、蕎麦とつゆと空気の三者が口の中に勢い良く入ってくることで蕎麦の香りは倍増します。

蕎麦は勢いよく啜り込み、噛むと飲むの間で、程よく口の中で転がし、のど越しを愉しむもの。
これを手繰ると言います。

そう。これが「蕎麦は香りを楽しむもの」の正しい楽しみ方の理由なのでした。
0008.蕎麦の食べ方の作法2
言い換えれば、ワインのソムリエが口をすぼめるようにして空気を吸い込みながらテイスティングするのと同じ原理なのですね。
蕎麦の香りを純粋に楽しむのならせいろ(もり)に限ると言われます。
一番香りを楽しめるからなのでしょう。
手繰るときにズズズっと音を立てて勢い良く吸い込むのは蕎麦の香りをさらに楽しむために空気を含ませる行為です。

【蕎麦をさらに美味しく食べる技術】

美味しく食べるには食べる技術が必要です。
更に美味しく食べる技術があります。

ひとつは、蕎麦の摘まみ方です。
蕎麦屋の職人は蕎麦を食べやすいようにザルの上に蕎麦を広げ、その上に少しずつ蕎麦を載せていきます。

つまり、食べる時はその逆に、てっぺんから下のほうへ少しずつ摘まんでいくと面が絡まることなくきれいに食べることができます。
一度に四筋か五筋がちょうどよいでしょう。

蕎麦の山に箸を突っ込み一気に摘まもうとすると失敗します。

もうひとつは、蕎麦湯をしっかり飲むと言うこと。
蕎麦湯にはレシチンと言う成分が含まれており、消化吸収を助ける役割をします。

【海外と日本の作法の違い】

海外の作法と日本のそれが決定的に違うのは蕎麦(麺類)の喰い方ではないでしょうか。
音を立てて食べるのがルール。
こんな作法は他のどこの国にもありません。
0008.蕎麦の食べ方の作法4
欧米はパスタやヌードルは食す際に音をたてないのです。ありえません。

特に欧米の作法は身体から発する音はすべてタブーとされ、咳ひとつでも「失礼」というぐらいです。

これは、この上なく失礼なこと、要するにみっともない 汚い感じがする、と言うことなのです。

蕎麦は音をたてて食べるのは、蕎麦の音を神様に聞かせるためと言う人がいます。
これは蕎麦を食すに当り、感謝の念を表すからですね。
真偽のほどはわかりませんが。

様々な裏付けがあって、蕎麦は音をたててのどを通らすほうが旨いということは、実に理に適っていることでありましょう。

欧米では音をたてて食べることをきらますが、みっともないことが嫌いな江戸っ子が認めているのだから事実でしょう。

麺類の食べ方は、ダブルスタンダード。
こう思えば素直に受け止めることができます。

日本人として、これから増えるであろう訪日外国人観光客には教えたいモノです。

無音で食すのは蕎麦職人に失礼だと。

【蕎麦屋で酒】

気の利いた蕎麦屋には結構上等な酒が置いております。
0008.蕎麦の食べ方の作法5
昔から蕎麦屋酒と言うくらいですから、蕎麦ができるまでに一杯いただくのも粋なものですね。
しかしここで気を付けたいことがあります。

蕎麦屋は酒場ではない

ダラダラと飲み続け、いつまでもい続けるような長っ尻の客は「無粋」です。
代表的なつまみ、焼き海苔、板わさ、豆味噌、玉子焼きなどから一品か二品を注文し、日本酒を1合からせいぜい2合程度でさっと切り上げるのが「粋」というモノでしょう。
また、時間帯も注意しましょう。
決して客で込み合う昼時はNGです。当たり前ですね。
時間的には、飲んで食べて小一時間。こんなところでしょうか。
0008.蕎麦の食べ方の作法6
店は客を見ています。長っ尻の客は嫌われますよ。粋じゃないよと。

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