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錦秋の京都 白砂と緑に映える詩仙堂の紅葉
京都駅よりバスに乗り、「一乗寺下り松町」バス停で降りて歩いていくと、詩仙堂の参道が見えてきます。
趣のある入口に立つと、修学旅行の記憶が甦るでしょう。
「詩仙堂」
名前まで趣があります。
だからなのでしょうか、この入口を潜ると、別な世界に引き込まれるように感じます。
詩仙堂は、江戸時代初期の文人で徳川家の家臣であった石川丈山が隠居のために造営した山荘跡です。
正しくは「凹凸窠(穴編に果)」(おうとつか)と言い、「凹凸窠(穴編に果)」とは、でこぼこした土地に建てた住居という意味を持ちます。
美しい庭を見渡せる「詩仙の間」の四方の壁には狩野探幽(かのうたんゆう)らが描いた三十六人の中国の詩人の肖像と丈山の讃が掲げられています。
これが詩仙堂の名の由縁となりました。
この「詩仙の間」に座り、庭を眺めると、すーっと周りの騒音が消えて、自分だけの静寂な空間に包まれます。
他の京都の寺院と違う感覚に捕らわれるのは、金閣寺などのように圧倒される煌びやかさではなく、癒されるほどの静かに佇む風景にあるのでございましょう。
地味ですがとても繊細な庭に静かな時間が流れます。何も考えずゆっくり座って眺めていたい・・・
心からそう思える庭でございます。
静寂の中に“こつん”と、枯れた音が響きます。
鹿おどし
作物を荒らす獣を追い払うために作られたこれを、初めて庭園に用いたのは石川丈山なのでした。
丈山は作庭の才にも長けており、自身の手によって設計された庭園は、自らも四季折々を楽しむことができたのでございましょう。
綺麗な白砂と丸く刈り込まれた緑とのコントラストが、より引き立てますね。
小さな空間でも溢れんばかりの紅葉の鮮やかさ。
贅沢な出会いです。
寛文12年(1672)90歳で天寿を全うするまでの三十数年間、春夏秋冬この空間で何を思っていたのでしょうか。
所在地:京都市左京区一乗寺門口町27
電話:075-781-2954
拝観時間:9:00~17:00(受付終了16:45)
拝観料:500円
アクセス:市バス「一乗寺下り松町」下車徒歩約7分
紅葉見頃:11月下旬~12月上旬
HP:http://www.kyoto-shisendo.com/
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