ワインの格付け
- 2016/7/6
- ワインの教科書
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ワインの格付け
ワインを難しくしている「壁」に、ワインの格付けがあります。
ワインを知りたいと思う人が必ず感じているコト。
しかも国によって違うらしい・・・
まずココは、「格付け」の仕組みを知っておきましょう。
主なワインの生産国では、ワインの格付けを行っています。
「格付け」ですから、「上」「並」、あるいは「松」「竹」「梅」というランク付けのことですね。
この格付けは、1930年代にフランスでブドウの不作が続き、ワイン業界が打撃を受ける中、有名な生産地と偽ったワインがたくさん出回り、この偽物を排除するために基準となる法律を作り、格付けしてラベルに記載するようになりました。
ですから、美味しさのランク付けと言うよりは、産地を格付けして保護する目的だったのです。
全ての格付けを覚えようとすると、ワイン入門のハードルが上がりますので、フランスの格付けで仕組みを知っておきましょう。
『フランスの格付け』
フランスのワインには、「国で定めた格付け」と各生産地区毎に定めた「地区ごとの格付け」の2種類があります。
ともにラベルに表記されておりますが、まずは「国で定めた格付け」を覚えましょう。
「地区ごとの格付け」はその後に覚えていくといいですね。
■国で定めた格付け
優れた農産物や酪農品を国が保証する制度である「AOC法」で認定された格付けです。
ブドウの品種、原産地、醸造法などについて厳しく管理、統制されています。
高品質から順に
【AOC】
Appellation d’Origine Controlee(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)
原産地統制名称ワイン(最上位)の格付けです。ラベルに「Appellation 原産地名 Controlee」、または「Appellation d’Origine Controlee」と書かれています。
原産地名には、ボルドー、ブルゴーニュなど。
地区名には、ボルドー地方であればメドック、ブルゴーニュであればボージョレなど。
生産地は広い地域よりも狭い地域の方が高級ということになります。
【AO VDQS】
ラベルに書かれている正式名称は、Appellation d’Origine Vin Délimité de Qualité Supérieure(アペラシヨン・ドリジーヌ・ヴァン・デリミテ・ド・カリテ・スペリュール)
原産地名称上質指定ワイン(上級)の格付けです。
【Vins de pays】
ラベルに書かれている正式名称は、Vins de pays(ヴァン・ド・ペイ)
フランスが産の限定地区 いわゆる地酒です。
【Vins de Table】
ラベルに書かれている正式名称は、Vins de Table(ヴァン・ド・ターブル)
輸入果汁、EU内産のブレンド、フランス産のブレンドなど。
いわゆるテーブルワインのことです。
1935年に制定されたAOC法ですが、2009年にEUの規定変更に伴い、3つのカテゴリーに分類されなおされました。
AOP法と言い、以前のカテゴリーとの対比は次の通りです。
【AOP】
ラベルに書かれている正式名称は、Appellation d’origine protégée.
「原産地呼称保護ワイン」と呼ばれます。
AOC法の《AOC》と《AO VDQS》に当たると思ってください。
【IGP】
ラベルに書かれている正式名称は、Indication géographique protégée。
地理的表示保護ワイン」と呼ばれます。
AOC法の《Vins de pays》に当り、品種、地域などが定められています。
【Vin de table】
特定の生産地域の表示がないテーブルワインのことで、従来と同じです。
これらはフランスワインに共通しているので、ボルドー地方やブルゴーニュ地方でもすべて一緒です。
では、もうひとつ「地区ごとの格付け」をボルドー地方の格付けで説明しましょう。
■ボルドーの格付け
細かいことを覚えようとすると大変なので、枠組み程度がわかればいいでしょう。
まず、ボルドーの格付けは=メドック地区の格付けと思ってください。
1855年に当時の皇帝ナポレオン3世がパリ万博でワインを出展する際に、世界の来賓にわかりやすくするためボルドー地方のワインに格付けをするよう命じました。
ところが実際に格付けを受け入れたのはメドック地区とクラーヴ地区(ソーテルヌ含む)のみで、他の地区は格付けを嫌がり、出品を断ったそうです。
ほかの地区ごとにも格付けがあるのですが、全部理解しようとすると、ワインを飲む前に嫌いになってしまいますので、まずはメドックの格付けを知る程度でいいでしょう。
大きく分けて以下の3つがあります。
【Grand Cru Classe】
このグラン・クリュ・クラッセはまた5つの等級にわかれています。
第1級:PremiersG.C.C.(プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ)
第2級:DeuxemesG.C.C.
第3級:TroisiemesG.C.C.
第4級:QuatriemesG.C.C.
第5級:CinquiemesG.C.C.
第1級に格付けされる5つのシャトーは「5大シャトー」とも呼ばれ、世界中で高値で取り引きされるワインとして知られています。
全部で61シャトーありますが、この5つのシャトーを覚えておくといいかも知れません。
・シャトー・ラフィット・ロートシルト
・シャトー・ラトゥール
・シャトー・ムートン・ロートシルト
・シャトー・マルゴー
・シャトー・オー・ブリオン
グラン・クリュ・クラッセのおススメワインはこちら
【Cru Bourgeois】
クリュ・ブルジョワとは、「メドック格付け」の1つ下のカテゴリーとして役割を担っており、3つの等級にわかれています。
・クリュ・ブルジョワ・エクセプショネル
・クリュ・ブルジョワ・シュペリュール
・クリュ・ブルジョワ
全部で297シャトーあります。
ラベルには「Cru Bourgeois」とだけ記載されています。
クリュ・ブルジョワのおススメワインはこちら
【Crus Artisans】
クリュ・アルティザン(crus artisans)は、メドック地区の格付けの一種で、畑が5haに満たない小規模でありながら優れたワインを生み出す生産者に対する格付けです。
2002年にクリュ・アルティザンの詳細が規定され、2006年に初めて44のシャトーが認定されています。
クリュ・アルティザンのおススメワインはこちら
以上がボルドー地方メドック地区の格付けですが、同じボルドー地方でも他の地区や他の地方については、また違う格付けがなされています。
ですので、ココではメドック地区の格付けを知る程度にしておきましょう。
これだけでも、随分とワイン通に近づきましたよ。
フランス同様に、イタリア、ドイツとそれぞれ格付けがあります。
その辺は追々ワインを飲みながら覚えましょうね。
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