お酒は契約書? 約束を交わす盃のお話。
- 2015/5/21
- 日本酒
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お酒は契約書? 約束を交わす盃のお話。
任侠映画などで 「 盃を交わす。」 そんな表現は、私達世代であれば、、
馴染みの多いシーンであったのではないか?と思います。
日本酒は大昔から、人と人とを繋ぐ役割を果たして来ました。
〇親子盃
〇兄弟盃
〇テキヤの襲名盃
あなたも映画で、こんなシーンを観た事があるかもしれません。
現代風に言えば、契約書のようなモノであり、
古き日本では、約束事を交わす、頼み事をする際、
盃を交わす儀式があったと言われています。
また、人と人を繋ぐのみならず、人と神を繋ぐ盃の儀式 直会(なおらい)も、
お酒によって、神様と人が繋がる。
という祈願と契約関係の成立を証す事ともいえるでしょう。
現代では、そこまで任侠の世界を垣間見る事も無ければ、
襲名盃に立ち会うような人も、ごくごくわずかだとは思いますが、
「 盃を交わす。」 という行為は、何もアウトローの世界だけの行為ではありません。
私達一般人でさえ、普通に盃を交わす瞬間に立ち会う場合があるのです。
さて、その盃事とは??
そう、三三九度ですね。
三三九度という盃事は、契約の儀式であり、
特定の人と人との間で取り交わす儀礼として伝えられ
元々は武家社会で儀礼化されたモノであり、
「出陣の盃」であったとされています。
主従の間で武運を約束する。という儀礼であったが、
これが、庶民社会に伝わった際、祝言における夫婦盃となったと言われています。
元々は式三献(しきさんこん)と呼ばれており、
時代の流れと共に、三三九度に変わっていったようです。
私達も 「 一献いかがですか?」「もう一献行きましょう!」などと、
ちょっと洒落の効いた感じで使う事もありますよね?
この「献」が意味するモノは何か?
どうやら 「一杯」 = 「一献」 という意味では、少々的外れな使い方のようです。
今後、使う際は気をつけないといけませんね。
そもそも、この「献」は、献立という言葉もある通り、
料理にも関係してきます。
「 酒肴一献 」(しゅこういっこん)
簡素な肴を出して、一盃の酒をすすめ、それを納めるまでを 「 一献 」 とする。
これが、正式な一献のようです。
その酒肴を取り変えて三回。つまり、三献で接待をするのが、
古くは正式な作法とされており、これを「式三献」と呼びます。
この際、盃の酒を三口で飲み干す。
なぜ?三口で飲み干すのか?というと、
三口は慎重を期する事に意味します。
3つの盃を3口ずつで飲む。
この事から、三三九度という儀礼になった。
慎重に目の前の相手との成婚を誓う。
なんだか解説が遠回りしたような気もしてしまいますが、
ようやく、三三九度に辿り着きましたね。
現代風に少し考えてみると、
契約の場でお酒を飲むのは少し不安で。
「あれ?私そんな約束しましたっけ?」なんて言う事にもなり兼ねないのでは?
なんて笑い話も浮かんでしまうのですが、
古くは、神様と人を結ぶものであったが故、
日本におけるお酒の歴史がそうさせたモノである事に間違いありませんね。
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