ワイングラスの選び方
- 2016/7/6
- ワインの教科書
スポンサーリンク
ワイングラスの選び方
同じ人に異なる形のワイングラスに同じワインを注いで出したら、違うワインだと勘違いしたと言う話があるくらい、ワインはグラスによって味が異なるお言われています。
とは言え、ワイングラスも実は様々な形や種類があり、それぞれに特徴があります。
そのワインの美味しさを引き出すことができるワイングラスに出会うことができるよう、種類と特徴、そして選び方を紹介しましょう。
『ワイングラスの各部の名称』
様々な形状のワイングラスがありますが、基本形は同じです。
ここでは、各部の名称と意味をおさえておきましょう。
【①リム】
リムは唇が直接触れる部分です。この部分は飲み物の「口当たり」を決定づける部位です。
ワイングラスに限らず、陶磁器などでも重要な部分になります。
ワイングラスが上に向かってすぼまるように、リムの部分の直径がボウル部分よりも小さいほうが、ワインの香りをより長くとどめておくことができます。
【②ボウル】
注がれたワインが溜る部位です。
ココの形状がワインの香りを決めると言っていいほど重要な部位ですね。
ボウルの広さ、高さ、大きさ、カーブの形、これらによってワインの香りが変わってきます。
ボウル部分には、一番膨らんだ部分からリムに向かって描かれるカーブと、底に向かって描かれるカーブのふたつがあります。
上のカーブは口にワインを注ぐ時の量と味わいをコントロールし、下のカーブはワインの香りを豊かにする大切なラインです。
【③ステム】
ボウル部分を支える脚です。
ワインを飲むときにはここを持って飲みます。
なぜ長いのかと言うと、長いほど手で持った時の体温が伝わりにくく、ワインの温度に影響が少ないからなのです。
【④プレート(台座)】
フットとも言い、文字通りワイングラスを支える足の部分です。レストランなどでテイスティング時には、この部位を香りを嗅いだりします。
『ワイングラスの条件』
【グラスの色】
ワイングラスの色は重要です。
ワインには美しい色があり、この色合いを楽しむこともワインの楽しみなので、無色透明のシンプルなワイングラスを選んで下さい。
ガラスそのものに色がついているカラフルなワイングラスや、切子やグラヴィールが入っているグラスは、ワインの色合いを楽しむことができません。
【グラスの形】
ワイングラスの基本形はいわゆるチューリップ型と呼ばれるものです。
ワインを楽しむときに香りは非常に重要なので、グラスが大きいほど圧倒的に香りが立ち、美味しく感じるられます。
あまり大きく過ぎるのも困りもので、家での置き場所にも困るので、ほどほどのサイズを選びましょう。
白ワインやスパークリングワインなど冷やして飲むワインには、温度が上がらぬうちに飲みきれるように小さいサイズになっています。
【グラスの種類】
ワイングラスに使われるガラスの種類の主なモノには、クリスタルガラスとソーダガラスがあります。
クリスタルガラスは鉛を使って透明度や屈折率を上げたグラスで、特に鉛の含有率が高く高級な物はレッドクリスタル(レッド:lead=鉛の意)と呼ばれ、美しい輝きを誇ります。
ソーダガラスは安価ですが、普段使っているコップなどに使われているガラスで、透明度はクリスタルガラスには程遠いものがあります。
『ワイングラスの種類』
ワイングラスの種類は、赤ワイン用・白ワイン用の分類の他に、各メーカーが更にワインに合った味わいを追求し様々なグラスを出しています。
高級ワイン用、デイリーワイン用、ブドウ品種ごと、産地ごとなど、数多くの種類の専用ワイングラスが存在します。
全てそろえることは無理ですので、ココでは揃えておきたいおもな3種類のワイングラスを説明しましょう。
【ボルドー】
口先が少し内側にカーブした基本のチューリップ型です。
香りが少しずつ立ち、グラスの中に香りがこもりやすい形になっており、名前の通りボルドーに適したグラスですが、フルボディで、渋みの強い赤ワインに最適です。
ゆるやかなカーブを描いてリムに向かってすぼまった大きなボウルによって、複雑で芳醇な香りをひらかせます。
冷やして飲むことが多い白ワインには、飲んでいるうちに温度が上がらないように、赤ワイン用よりも少し小さく作られています。
【ブルゴーニュ】
ブルゴーニュに適したグラスで、ボール部分が大きく膨らんでいるバルーン型は、赤・白共通のグラスでボルドーグラスに比べて空気に触れる表面積が大きくし、ワインの香りが素早く立ち昇ります。
口が外側に反り返ったタイプは、甘味を感じる舌先にワインが当たるため、果実の風味を感じやすくなっています。
酸味が強く、中程度の渋味のある、複雑な香りの赤ワインに最適です。
【シャンパン】
シャンパンを代表とするスパークリングワインは他のワインと違って、気泡が出ます。
この気泡を楽しむためのワイングラスがフルート型のシャンパングラスです。
縦に細長い形をしているため、気泡が立ち昇る様子をゆっくりと鑑賞でき、シャンパンを注いだ際に楽しむことができます。
またこの形にすることで炭酸を抜けにくくする効果があるので、相性もいいのです。
『ワイングラスのメーカー』
【リーデル RIEDEL】
リーデルはワイングラスの創業250年のオーストリアの名門トップメーカーで、ワイングラスと言えばリーデルという定番中の定番と言っていいブランドです。
ワイン好きでなくとも恐らく名前は聞いたことがあるのではないかと思われます。
史上初めてブドウ品種に合ったグラス形状というコンセプトをワイングラスの世界に導入しました。
優美な曲線を描きバランスもよくとても優雅で美しいグラスと言うばかりではなく、理にかなったデザインと言えます。
ブドウ品種やワイン産地、あるいは銘柄によって種類別のグラスを造っており、どれをえらべばいいのかわからないくらい品ぞろえが豊富です。
ちとお高い価格帯のものもございますが、初心者用入門編の求めやすいワイングラスも揃っています。
【ショット・ツヴィーゼル SCHOTT ZWIESEL】
知名度はリーデルよりやや低くなりますが、まさに質実剛健といった感じのドイツの信頼できるメーカーです。
グラスはトリタンと言われるチタンを使い、透明度や輝きをアップさせながら丈夫で割れにくく、食器洗浄乾燥機でも問題ない使い勝手の良いワイングラスです。
耐久性抜群のこのグラスは、高級ホテルのレストランや、航空会社でもよく使われています。
高級感を備えつつ、リーズナブルな価格設定がうれしい優良品です。
【バカラ Baccarat】
誰もがその名を耳にしたことがあるフランスの高級グラスメーカーです。
重厚感のあるカットと透明度のある綺麗なガラスで、とても美しいフォルムのワイングラスです。
フランスの王室はもちろん、日本でも昭和天皇が愛されたグラスです。
自宅での家飲みではちと怖くて使えませんね。
まぁ、「バカラでワインを楽しんでいる」と言う満足感はあるでしょう。
ココはひとつ、プレゼント用にお考えください。
【ロブマイヤー LOBMEYR】
19世紀に創立したオーストリア第一の照明とグラスのメーカーとして知られるロブマイヤーは、
そのクオリティの高い上質なクリスタル製品を扱っていたことから、皇室御用達の称号を賜り、世界各国の要人を迎える晩さん会で使用されるほどのメーカーです。
ロブマイヤーは、優美なデザインだけでなく、素材に特殊な配合比の「カリ・クリスタル」を使用しており、驚くほど軽く、薄く、しかも丈夫で割れにくいのが特徴です。
リムの薄さやブランド名「バレリーナ」に象徴されるように脚の部分が長いデザインの優美さには定評がありますが、扱いには相当気を使い、普段使いには怖い気がします。
『おススメのワイングラス3点』
いろいろな種類のワインに合うワイングラスを揃えることも楽しみですが、まずは基本的名3種類から揃えましょう。
様々なワイングラスメーカーの数あるワイングラスからおススメの商品をご紹介します。
【リーデル ボルドー】
本来はボルドーワイン向けのものですが、他のワインでもだいたい合うでしょう。
カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー主体の赤ワインや、しっかり目の白ワインを飲む分には、オススメできるワイングラスです。
↑リーデル ボルドーはこちら
【ショット・ツヴィーゼル ブルゴーニュ】
ブルゴーニュ用のグラスを選ぶポイントは、ボウル部分が丸いカーブを描いて大きく、リムに向かって口がすぼまっていることです。
ブルゴーニュワインの特徴である華やかな香りが口元から鼻へ一気に抜けてきます。
ブドウ品種がピノ・ノワールやネッビオーロであれば、ブルゴーニュ以外でも、これらのグラスは相性がいいでしょう。
↑ショット・ツヴィーゼル ブルゴーニュはこちら
【ショット・ツヴィーゼル シャンパーニュ】
シャンパーニュに代表されるスパークリングワイン用のグラスには、すっきり細長いフルートタイプと、少し丸みをもたせたタイプが存在します。
ショット・ツヴィーゼルは前者、リーデルは後者ですね。
シャンパーニュは、その美しい泡の立ちのぼりも楽しむ要素で、ワインが空気に触れる面積の広さに比例して、その分炭酸は早く抜けてしまいます。
ここはひとつ、炭酸の抜けが少ない、より細長い形状のフルート型のショット・ツヴィーゼル社がおススメです。
↑ショット・ツヴィーゼル シャンパーニュはこちら
さて、ワイングラスも揃ったところで、優雅にワインを楽しんでみてはいかがでしょう。
特集:ワインの教科書
スポンサーリンク