ワイン作りのブドウ品種
- 2016/7/6
- ワインの教科書
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ブドウに秘められた秘密
わたくし達がいつも美味しく食べている生食用ブドウ。
ワイン用ブドウは、この生食用ブドウと何が違うのでしょうか?
『良いブドウは痩せた畑から』
野菜を作る時はまず土作りからと言われています。
養分をたっぷりと含んだ土壌が良い農作物を作ると、普通は考えるでしょう。
しかし、ワイン用のブドウの栽培は違うのです。
ワイン用のブドウは、水はけが良く、やせた土地のほうが良質のブドウの実を付けます。
栄養が豊富な土壌では、枝葉が育ちすぎ、実に養分が集まりにくくなります。
逆に養分や水が少ない土地では、ブドウの木が養分と水をもとめて必死に根を伸ばし、地中深く様々な地層の栄養分を吸い上げて、果実に凝縮させることで、天然の美味しさ、複雑な味わいを醸し出すのです。
その土地土地によって土壌の粘土鉱物に含まれるミネラル分が違い、地域ごとにワインの味に違いが出てくるのです。
ワインの味の違いを生む気候条件としていくつかあります。
【畑の高度】
100m高度が変わるに従って、気温は0.5~1℃変わります。温度差がワインの味を変化させます。
【日当たり】
気温が高くないほうが良いですが、太陽の光はブドウ作りに重要です。
【土地の傾斜】
土地が傾斜していることによって、太陽の光をいっぱい浴びることができます。
また、傾斜地は水はけが良く、ブドウ栽培に適しています。
【河川・森林】
河川は暖まりやすく冷めにくいので、河川が近くにあるとブドウの木を急な温度差から守ってくれます。
また、森林は防風林として役立ちます。
人の手ではなく、自然こそが一番ワインを育てているのですね。
『品種の違いがワインの味の違いを生む』
日本では生食用のブドウ栽培が多いのですが、世界では90%がワイン用として栽培されています。
このブドウの品種も、何万種類もあると言われていますが、代表的な品種とその特徴を覚えておきましょう。
■カベルネ・ソーヴィニョン(赤)
フランスのボルドー地方を中心に多くの国で栽培されている有名な品種です。
濃厚な味わいで、熟成するほど風味が増します。
ボルドー地方は、フランスを代表するワインの生産地域です。
そのボルドー地方の主体となるメドック地区とグラーブ地区の赤ワインの主原料となっているのが、このカベルネ・ソーヴィニヨンです。
この品種は栽培適地が広いため、世界中で栽培され、芳醇でしっかりした味の色味の濃い赤ワインになります。
ポリフェノールの一種、タンニンを多く含み、スパイシーで渋味のあるワインですが、長い間熟成させると、まろやかで香り高い味わいを醸し出します。
高級ワインとして世界中で人気があります。
ただ、カベルネ・ソーヴィニョン100%のワインは意外に少なく、他のブドウ品種と組み合わせるのが一般的で、ボルドー地方ではメルロー種やカベルネ・フラン種と、イタリアのトスカーナ地方ではサンジョヴェーゼ種と、オーストラリアではシラー種となど、各地の在来種とのブレンドされるのが見られます。
いわゆる「重厚な赤ワイン」をお好みでしたらカベルネ・ソーヴィニョン種を選ぶのが良いでしょう。
カベルネ・ソーヴィニョン種のおススメワインはこちら
■メルロー(赤)
フランス国内で最大の栽培量の品種です。
ボルドー地方の三てミリオン地区、ポムロール地区で良いワインを生み出しております。
カベルネ・ソーヴィニョン種よりも早く開花、成熟して良質な赤ワインになり、また、味もよりマイルドでフルーティーなので、カベルネ・ソーヴィニョン種とブレンドして使われることが多いです。
お互いの良い点を引き出す良きパートナーと言えます。
フランス以外の国では「渋味が少なく飲みやすい」と評判で、カベルネ・ソーヴィニョン種よりも高い評価を受ける地域もあります。
日本でも、長野県、山梨県、山形県で栽培され、品質の高いワインが作られています。
今後、他の国でもメルロー種の人気が高まることでしょう。
メルロー種のおススメワインはこちら
■ピノ・ノワール(赤)
ピノ・ノワール種は、フランス・ブルゴーニュ地方を代表する赤ワインの品種です。
果汁の糖度が高く、香り高い魅力的な品種で、上質な赤ワインの原料となります。
栽培される適地が限定され、収穫量が少ない貴重な品種です。
ピノ・ノワール種は高緯度地方で穏やかな日光を長い時間浴び、昼夜の温度の寒暖差が大きい土地で育ちます。
ブルゴーニュ地方のコート・ドール地区、シャンパーニュ地方始め、世界各国の限られた冷涼地でのみ栽培されています。
条件の揃った地域でのみ、独特の甘味な香りと精緻な味わいを作り出すことができるのです。
そのなめらかでエレガントなテイストは、他の品種とブレンドされることなく、風味を生かすため単独醸造されることが多いのです。
ピノ・ノワール種のおすすめワインはこちら
■シラー(赤)
シラーはオーストラリアで一番収穫されている赤ワイン品種です。
フランスでは、コート・デュ・ローヌ地方やラングドック・ルシヨン地域でも栽培に中心となっております。
シラー種の果実はタンニンを多く含んでおり、色が濃く味は濃厚パワフルでキレのあるスパイシーなのが特徴です。
フランスでは単独で余地いられることが多いですが、オーストラリアではカベルネ・ソーヴィニョン種とブレンドされることが多いようです。
以前はマイナーな品種でしたが、近年赤丸上昇中のワインです。
シラー種のおすすめワインはこちら
■シャルドネ(白)
白ワインの原料としては知名度ナンバー1。辛口白ワインの代名詞的存在です。
フルーツの甘い香りとナッツのような香ばしさにミックスされた芳醇なボリューム感ある飲みやすいワインです。
ファン層は幅広く、「白ワイン」と言えば「シャルドネ」と答える人も多いくらいですね。
有名なところでは、フランスのブルゴーニュ地方のシャブリ地区やシャンパーニュ地方が挙げられ、他にもオーストラリア、ニュージーランドはじめ、世界各国で栽培されています。
地名でわかるように、シャンパンの原料として用いられ、また、シャルドネ種から作られた白ワインを総称して「シャブリ」とも呼ばれます。
シャルドネ種のおすすめワインはこちら
■リースリング(白)
ヨーロッパ白ワインのメッカ、ドイツを代表する高貴なブドウ品種がこのリースリング種です。
涼しく日当たりのよい土地が敵地で、モーゼル河、ザール河、ルーヴァ―河流域や、ファルツ地区など、高緯度地域で栽培されています。
じっくり成熟する過程で、糖度と酸味が高まり、甘みと酸味のバランスの良いブドウになります。
栽培される地域や収穫時期によって、味の特徴が違って来るので、爽やかな辛口からフルーティーな甘口まで、各地毎にファンがいるようです。
日本でも近年人気が高まってきています。
リースリング種のおすすめワインはこちら
■ソーヴィニョン・ブラン(白)
ソーヴィニョン・ブラン種は、一口飲んだだけですぐにわかるほど個性的な味わいです。
柑橘類やハーブに似た爽やかな香りと酸味を持っています。
シャープさと柔らかさがミックスしたすっきりとした味わいが人気を博していると言えましょう。
フランスでは、ボルドー地方とロワール地方が適しており、赤のカベルネ・ソーヴィニョンに対し、白のソーヴィニョン・ブランと言われています。
まろやかな品種とのブレンドで用いられることが多いようです。
ソーヴィニョン・ブラン種のおすすめワインはこちら
このほかにも世界中には多くのワイン用ブドウ品種がございます。
日本を代表する「甲州種」もその一つ。
代表的なワインから始めて、いろいろなワインを楽しんでみませんか。
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