美味しい天麩羅の食べ方の作法
- 2015/9/13
- ダンディの作法
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美味しい天麩羅の食べ方の作法
寿司、蕎麦と並んで江戸っ子から愛されている食べ物です。
それは、寿司と同じようにカウンターを挟んで職人とお客が対峙するスタイル。
天麩羅の醍醐味を味わうのなら予約を取ってでもカウンターに限ると言われています。
ではなぜでしょう。
【天麩羅の美味しい訳】
作家の池波正太郎曰く
「天麩羅屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでも会った様に揚げるそばからかぶりつくように食べていかなきゃ、天麩羅屋のおやじは喜ばない」
そう名文句を残しています。
天麩羅というモノは揚げたてが一番旨くて揚げたそばから徐々に味が落ちていく食べ物です。
せっかくの揚げたての天麩羅を食べもしないでおしゃべりに夢中になったり酒を飲んでばかりと言うのは店に失礼というモノでしょう。
野暮天もいいところですね。
【カウンターは特等席】
天麩羅をカウンターでいただく場合、、まず揚げたてを食べられるという特典が第一に上げられます。
天麩羅は油の余熱によって刻々と変化していく食べ物。
天麩羅の一番おいしい瞬間は、まさに揚げたての数秒間なんですね。
つまりカウンター席は、その美味しい数秒間の間に味わうことができるという訳です。
もちろんテーブル席にはテーブル席にあったタイミングでだすのは言うまでもありませんが。
次に、カウンター席では職人さんの仕事ぶりを間近で見ることができます。
同時に職人さんもこちらの反応を見ながら「次の一手」を考えると言う相互作用があるのです。
店に入った時にカウンター席に座りたいと思っても、ダイレクトにセンターに座っては店に嫌われます。
カウンターは入口に近いほうが下手、奥のほうが上手。
ご主人に案内されるまで勝手に座らず座る場合も入口に近い下手の席を指さして「こちら、よろしいでしょうか」と確認することが大切です。
いかに早い段階でご主人との信頼関係を築くかが重要と言うことですね。
【天麩羅は作るのが難しい食べ物】
日本料理の中でも天麩羅は難しい。
天麩羅は家庭では再現しにくい料理です。
その作り方のコツはと言えば、職人によって
「音で揚げる」「色で揚げる」「温度で揚げる」「時間で揚げる」と、いろいろと表現が違います。
しかし、本質がつかめません。
ある天麩羅屋のご主人が、わかりやすい説明をしておりました。まさに言いえて妙でございます。
「天麩羅は魚の脱水作業」とのこと。
まずは、熱した油の力を借りて衣と魚から余分な水分を抜いていく。
水分が抜けたところに油が入り込むことによって味が膨らみ、生で食べるよりもおいしくなる。
天麩羅の基本は「脱水」
と言うことなのだそうです。なるほどの解説ですね。
この天麩羅の調理にはふたつの工程がございます。
第一に「蒸し」
衣をつけて油に落とされた魚は水分が蒸発されていきます。
自らの水分によってその実を蒸し焼きにしているというコトですね。
水分の温度が100度に達し蒸発し終えるまでがこの段階でしょう。
続いてやって来るのが「焼き」
余分な水分の抜けきった衣と魚は、今度は高温の油によって焼かれていきます。
この「焼き」をどの段階まで進めるかによって天麩羅の良しあしが決まるのです。
もう一度「なるほど」です。
この技術があるかどうかで、「天麩羅」と「魚の揚げ物」の違いになってくるのでしょう。
【天麩羅の食しかた】
天つゆと塩がございます。
素材の味を堪能するには塩で食べるのが一番と言う方もいらっしゃいます。
確かに一理ありますが、店のご主人が試行錯誤を重ねて作り上げた天つゆを無視することになることにお気づきでしょうか?
これは失礼と言うよりも、もったいないではないでしょうか。
ウンチクをいろいろ語るよりも、天麩羅の食べ方は様々に楽しめばよろしいのでは。
1.天つゆだけ
2.大根おろしを入れる
3.塩で食べる
味のバリエーションを楽しむこと、それぞれの素材にあった食べ方を探すことが美味しい食べ方かと思います。
但し大根おろしはつゆに全部溶いてはいけません。
もし説いたほうがおいしいのであれば最初から説いた状態で出てくるはずですね。
さぁ、これだけ身に着けたら、あとは添付他を頂くだけ。
早速カウンターに座りましょう。
猫舌の方は少々々揚げたての熱さにお気をつけて。
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