イタリアン料理の美しいいただき方
- 2016/4/8
- ダンディの作法
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イタリアン料理の美しいいただき方
イタリアンの基本的作法
「テーブルマナーより、美味しいものを美味しいうちに食べる」
これがイタリアンの鉄則と言われています。
イタリア人はとにかく食べることを楽しむのが上手な国民です。
目の前に出された料理をいかにおいしく食べるか、これが最大の目的なんですね。
料理の説明をしっかりと聞き、その料理にはどんなワインが合うかと言うことに思いを巡らせる。
決しておしゃべりに夢中になって、料理が冷めるのも気付かずに放置することなどしないのです。
まさにこれがイタリアンのマナーと言えましょう。
とはいっても、難しいテーブルマナーはなくても、食事にうるさいイタリア人ですから、
独特のテーブルマナーはあります。
最近では「イタめし」なんて言うと、
イタリア料理を指す様に、カジュアルな料理と言う印象がありますが、
実は現在のフランス料理のコースは、 正式なイタリア料理のコースが根本にあるんです。
イタリアンレストランの種類
イタリア料理とはいえ、格式のあるレストランでの食事なら、気を抜くことは出来ません。
日本でも、大衆食堂から料亭までいろいろとあるように、 イタリア料理のレストランは、 ロスティッチェリア・ターヴォラカルダ・スパゲッテリア・ピッツェリア・オステリア・トラットリア・リストランテの順に格式が高くなります。
『リストランテ』
格式の高い、一番上のレストランのこと。
基本的にピッツアは置いていないと思っていいでしょう。
『トラットリア』
リストランテと同様にコース料理などがありますが、やや家庭的で、店も小規模なところが多いようです。
『オステリア』
カジュアルな雰囲気でお料理を楽しめるお店で、ワインを豊富に取り揃えています。
『ダヴェルナ』
日本で言う大衆食堂のような気取らないお店です。
『ピッツェリア・スパゲッテリア』
いわゆるピザ、パスタの専門店ですね。
ココでの目安は「トラットリア」以下か「リストランテ」か、と言うことでしょう。
リストランテは他のレストランと違って、フレンチと同様、細かな作法が必要になります。
イタリア料理のメニュー
イタリア料理は乳製品やオリーブ油を使った料理が多く、フランス料理の原型とも呼ばれています。
ガーリックとオリーブ油の香りはたまりません。
前菜は食欲をそそるように手のこんだ料理、主菜は素材の持ち味を活かしたシンプルな料理が並びます。
コースメニューの順番
イタリア料理のコースは、フレンチのそれと比べると、少し品数が少なくなります。
『前菜(アンティパスト)』
まず前菜から始まります。「食欲を駆り立てる」役目がありますので、食欲を増進させるため、塩味や酸味の利いた刺激的な味で、色鮮やかな色合いが特徴です。
イタリア料理の前菜の場合、肉の「赤」、チーズの「黄」、野菜の「緑」の3色で彩られることが多いようです。
カマンベールチーズのフライやガーリックトーストなどがあります。
『パスタ(プリモピアット)』
1つ目のメイン料理という意味があり、前菜の次に出てくるボリュームのある料理です。
パスタ類が一般的ですが、パスタの代わりにピザが出ることもあります。
リゾットやスープもプリモピアットで出されます。
イタリア料理では、フルコースの品目が少ないので、最初に炭水化物の料理が登場します。
『主菜(メインセコンドピアット)』
2つ目のメイン料理で、魚料理か肉料理のどちらかが登場します。
魚介類なら鯛・あさり・蟹など、肉なら牛ロースや牛ヒレステーキ、仔牛肉などでしょうか。
ワインと一緒に口にすれば、より深い味わいが楽しめます。
「魚料理は白ワイン。肉料理は赤ワイン」というルールを参考にしながら、ワインを選んでいきましょう。
『パン』
イタリアのパンにはフォカッチャやグリッシーニなどがあります。
オリーブ油が効いているため、バターを塗ることはありません。
『サラダ』
主菜肉料理で酸性に傾いた血液を、元に戻すため、アルカリ性のサラダが供されます。
野菜や魚介類を使った彩りの良いサラダに自分でバルサミコ酢や塩こしょうを使って味付けをします。
またメインディッシュでごつごつした口の中を、野菜でさっぱりする意味があります。
『デザート(ドルチェ)』
メイン料理のときに食べたワインによって酔いが回り始めるころです。
甘いデザートで食事の最後を締めくくります。
『コーヒー』
イタリアではエスプレッソを飲みますが、デザートで甘いものを食べた後に、苦いものを口にすることで酔いを覚まし、
気持ちのバランスを保つ意味があります。
ここで注意したいのは、イタリア料理では、食後のカプチーノはおすすめしません。
「満足ではありませんでした」という意味になることがありますので気を付けましょう。
イタリア料理のテーブルマナー
『店に入った時』
まず、荷物やコートは席に持ち込まないようにし、お店に入った時に預けておきます。
小さなバッグなら背もたれのところに置いておきましょう。
当然ですが、携帯電話の電源は切るかマナーモードにしておき、通話する時は相手の人に席を立つことを告げて席を離れます。
トイレも事前に済ませて置いたほうがいいでしょう。
『ナプキンの使い方』
席についたら、料理が来る前にナプキンを広げます。早めに広げても良いでしょう。
ナプキンを少しずらして2つ折りにします。
折り目が手前に来るようにしてひざにのせ、口を拭くときナプキンを引き上げ、顔を近づけて折ったほうの内側で拭きます。
こうすると、ひざに戻したときに拭いたところが見えなくなります。
途中で席を立つときはいすにナプキンを畳んで置き、食事が終わったら軽くたたんでテーブルの上に置きます。
食べ終わった後にナプキンで口を拭くと、料理がおいしかったというサインになります。
『ナイフとフォークの使い方』
フレンチと違い、イタリア料理ではどのナイフとフォークを使っても大丈夫です。
右手にナイフ、左手にフォークを持ちます。
食事中は皿の上でハの字になるようにクロスになるように置き、ナイフとフォークを右端でそろえると「下げてください」の意味になります。
この時ナイフとフォークの柄がテーブルに付くのはNGです。
ナイフの刃は手前に向けます。
『スパゲッティの食べ方』
イタリア料理で人気のスパゲッティは、なかなか食べるのが難しい食べ物ですよね。
箸を頼むわけにもいきませんから、スマートに食べられるようにしましょう。
基本的に、スパゲッティはお皿の丸みを利用してフォークに巻いて食べます。
同じ麺でも蕎麦は、ズルズルすすって食べますが、この場合はNGです。
上手に食べるコツは、 最初にフォークに絡ませる量は、少なめに少なめにすることですね。
ペンネなどのショートパスタは、刺しても構いません。
穴にフォークが刺さっても、大丈夫です。
ところで、スプーンを使うのはアメリカ式だそうですが、スプーンを使ってもいいでしょう。
他には、スープパスタや、ソースが多い場合は、スプーンを使っていただきます。
『スープの飲み方』
皿に入ったスープは手前から奥へとスープをすくいます。
この時音を立てないように気をつけて飲みましょう。
『パンの食べ方』
パンはちぎって食べますが、パンのちぎったところは相手に見えないようにします。
イタリア料理では主菜のソースやスープをつけて食べても行儀が悪いことはありません。
かえって美味しいという表現になり、お店の人にとっても嬉しいことなんですよ。
『一皿を分け合う』
初めて入ったお店では、一皿の量がわかりません。いろいろと種類を食べたいときには一皿を分け合って食べることもできます。
できれば前もって分けてくださいと伝えて、取り分けてそれぞれのお皿で食べるのがベターです。
食べかけたお皿を交換するのも良くありません。
『手を使う』
イタリア料理ではトーストやカナッペなどの料理もよく出てきます。
また、ナイフやフォークで食べにくい料理のときは、手を使って食べてもマナー違反にはなりません。
さぁ、これで一通りの作法がわかりました。
堂々とリストランテに入りましょう。 おっと、ドレスコードは忘れずに。
あとはイタリア人に負けず、ひたすら美味しくいただきましょう。
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